亀水槽と濾過フィルター
たわしすたじおでは、たまに濾過(ろか)の話題も出していますが、そういえば何の解説もしてないので、わからない方には全然伝わらないな、と思いました。なので今日は亀水槽の濾過フィルターについて書こうとおもいます。
とはいっても、たわしも、うちの代表も、水槽に関しては初心者なので、あまり深い話はできません。。。
このブログで濾過の話が出てきたときに、なんとなく意味が伝わるようになれば良いかな、というつもりで書きます。
濾過フィルターの役割
さて、たわし水槽でも、水をきれいに保つ目的で濾過フィルターを使用していますが…
この濾過フィルターなしだと、アンモニアなどの有害な物質がたまって、すぐに水が汚れてしまいます。
また、水流をつくるという目的もあります。水流は、水が腐るのを防いだり、ヒーターで暖まった水を水槽にいきわたらせます。
濾過の種類
さて、ひとくちに濾過といっても、実はいくつか種類があって、それぞれで機能がちがいます。
物理濾過
「物理濾過」は、その名の通り、物理的にごみを集めて濾(こ)しとる濾過です。掃除機みたいなイメージです。
集めたごみは定期的にそうじしてください。
▲そうじ前のフィルター内部。汚れが詰まっています。
物理濾過は、水の見た目がきれいになり、有害物質のもととなるフンや食べかすを集めて、水質が悪くなるのを遅らせます。ちなみに亀水槽では、表皮の代謝による皮膚カスがけっこう出るため、そうじの時にはフンや食べかすよりそっちの方が目立ちます。
吸着濾過
有害物質を吸着する素材を通すことで水をきれいにする方法です。
「活性炭」や「ゼオライト」といったものが多く使われます。
吸着材の寿命はせいぜい2~3か月なので、交換の手間とコストはかかります。
次に説明する生物濾過は機能し始めるまでに日数がかかるので、その間のつなぎで利用される場合も多いみたいです。
写真はたわし水槽で使ってるゼオライトという石です。100均でも売ってます。
生物濾過
生物(バクテリア)によって、アンモニアなどの有害物質を分解することを生物濾過といいます。
バクテリアは市販もされていますが、買わなくてもそのへんの空気中に漂っているので、環境さえ整えば繁殖して定着します。
酸素と温度が整っていて、適切にカルキ抜きがされている必要があります(塩素で死にます)。
生物濾過をもうちょっと詳しく
生物濾過はややこしいので、もう少し説明します。
亀水槽で発生する有害物質というと、まずは「アンモニア」です。
フンや尿、食べカスがあると、それをバクテリアが食べてアンモニアに分解します。つまりアンモニアとは、「亀のフンを食べたバクテリアのフン」であるといえます。
このアンモニアは亀の体にとって有害で、濃度が高くなるとアンモニア中毒などになる可能性があります。
しかし、アンモニアを食べるバクテリアもいます。これがアンモニアを分解して「亜硝酸塩」という物質にします。亜硝酸塩は「亀のフンを食べたバクテリアのフンを食べたバクテリアのフン」といえます。
この亜硝酸塩も、亀の体に有害です。そこで、この亜硝酸塩をさらに分解するバクテリアが登場します。このバクテリアは亜硝酸塩から「硝酸塩」をつくります。「亀のフンを食べたバクテリアのフンを食べたバクテリアのフンを食べたバクテリアのフン」です。
ここまでくると、ようやく害がほとんどなくなります。
でも硝酸塩もあんまり濃くなると体によくないので、水草などの植物に吸収してもらうか(しかしそのためにはものすごい大量の水草が必要になるので、普通の亀水槽では無理です)、水換えによって水槽から外に出す必要があります。
つまり、生物濾過が機能している亀水槽において、水換えは「亀のフンを食べたバクテリアのフンを食べたバクテリアのフンを食べたバクテリアのフンを処理する」という、なんだかとても残念な作業なのです。亀を飼う人間はよくやるな、と思います。しかしこれを怠られると大変なので、我々飼育下の亀は飼い主がきちんと水換えをしてくれるよう、日頃から良好な関係を築いておく必要があります。
ともあれ、「生物濾過」とは、この「アンモニア」→「亜硝酸塩」→「硝酸塩」という一連の流れ(硝化といいます)を整えることなのです。
たわし水槽の濾過
ここまで濾過について説明してきましたが…
亀はフンの量は多いし、食べこぼしも多いので、フィルターの濾過能力を超えてしまう場合も多いようです。
なので、そうじの面倒なフィルターは使わずに水換えをカンタンにして、毎日全部水を換えるという人も多いみたいです。
生物濾過を気にしなければ、亀的には水道水でもかまわないので手間は省けますが、それでも毎日の水換えは大変そうです。ただし処理するのは「亀のフン」なので、「亀のフンを食べたバクテリアのフンを食べたバクテリアのフンを食べたバクテリアのフン」の処理と比べるとまだ高等な気がします。
逆に、すごい濾過能力の装置を自作している人もいるようです。うちの代表にはそこまでの根性と技術はありません。残念ながら。
たわし水槽では、代表の「毎日水換えはしんどい」というダメな理由と、「留守の時に対応できない」というもっともな理由で、数日間水換え不要な環境をつくる方針になってます。
そのために現状行っているのはこちらです。
フィルター
こちらのフィルターを使用しています。濾材はゼオライトです。
性能は、物理濾過能力はそこそこ…で、生物濾過はあまり期待できないものなのですが、ゼオライトにもバクテリアは定着するので、なんだかんだうまくまわっています。
ゼオライトはそうじのみで交換してないので、吸着濾過の能力はもうありません。
このセットについていたものをそのまま使っています。
ゼオライト
アンモニアを吸着する濾材です。吸着濾過のところで説明した通り、もってせいぜい2~3か月しか効き目はありませんが、かれこれ半年くらい水槽に置いてある気がします。
代表いわく、最初は吸着濾過を目的として設置したけど、ここにもバクテリアが定着したらいいなと思ってそのまま置いてるんだそうです。効果のほどは、未検証…。
水量を増やす
アンモニアなどの物質は、濃度の問題なので水量が多いほど汚れるペースは遅くなります。以前は10リットル程度でしたが、いまの水槽に引越してからは25リットルくらい入っています。
亀水槽の水深は浅いもの…みたいなイメージがありますが、ちゃんと陸場があれば深くても大丈夫…むしろ水槽を広く使えます。いろいろな設備を整えるよりも、水量を増やす方が効果的かもしれません。
たわし水槽の濾過対策は以上ですが、さいきんはこれで、4日~1週間くらいは水換えなしでも大丈夫な環境になりました。寒くなって食が落ちているので、フンの量が減っているせいもあるかもしれません。
これでひとまず、濾過の説明はおしまいです。はじめて長めの記事を書きましたが、伝わりましたか…?
濾過はやり出すととても奥が深くて、難しいです。間違ったことを言ってたらゴメンナサイ。
いまは基本だけおさえて、適度にカイテキな水槽で過ごせたらいいな、と思います。どうせ1日の半分以上は甲羅干ししてるし…。
今後濾過の話題が出た時にはこのページを参照してもらえたらうれしいです。
では最後に問題です、この記事で何回「フン」と言ったでしょう…?